工場内部の暑さ対策で外壁内側に断熱材と遮熱シートを施工しました

当社が建設したお客様の工場で「夏の暑さが酷いため何とかならないか?」というご相談をいただきました。
工場の外壁は窯業系サイディングで内側は断熱施工無しの透湿防水シート現しの状態でしたので工場内の温度が高くなることは想定していました。ただ、工場内はいくつかの断熱された小部屋に区切られていたため工場の共用部の断熱工事は先送りしていた経緯があります。
工場共用部には電気炉が複数ありましたのでまずは電気炉の排気ダクトの保温工事を行いましたが効果は薄かったため工場全体の暑さ対策工事を行うことになりました。

折板屋根と外壁内側の遮熱工事を提案

工場や倉庫などの夏の暑さ対策には折板屋根や外壁からの輻射熱を遮断することが有効であることから折板屋根と外壁内側に遮熱シートを張る施策をご提案して実施する運びとなりました。
折板屋根の遮熱施工は後で行うことになりましたので、外壁内側の断熱遮熱施工を先行して行いました。

外壁内側の遮熱・断熱施工手順

  • 柱の両脇に下地(桟木)をビス留め
  • 柱・胴縁間にグラスウール充填
  • 柱間(1900mm)の胴縁に遮熱シートをビス留め

柱の両脇に下地(桟木)をビス留め

柱は胴縁より25mm室内側に出っ張っているので遮熱シートは柱間の胴縁面に張ります。(柱は見える状態)
外壁の下地胴縁が縦方向なので遮熱シートは柱間の横方向に張ります。
遮熱シートの両脇を留めるための下地が必要なので柱の両脇に桟木(24mm×48mm)をビス留めします。

柱・胴縁間にグラスウール施工

鉄骨胴縁間にグラスウール16kを敷き詰めていきます。
縦長な箇所は外壁裏面に両面テープを貼ってグラスウールが落ちてこないようにします。

柱間(1900mm)の胴縁に遮熱シートをビス留め

遮熱シートは柱間隔の1900mmより少し長めの1920mmでカットしました。
ビス留め時に遮熱シートの破れを防ぐため外径20mmの平ワッシャーを挟んでビス留めします。
遮熱シートの継ぎ目は重ねて貼り両面テープで固定します。
電気配管やエアー配管が胴縁に固定されている箇所はステーを一度外してから施工しました。

遮熱シート下部の破損防止にアルミ複合板を施工

遮熱シートの施工を進めていくと、人が通る通路や出入口付近の遮熱シートを破損しそうな気がしたので腰壁のようなものを貼り付けても良いのではと提案すると、通路などは人の背丈くらいまで欲しいとのことでしたのでアルミ複合板のアルポリックを横に2段張ることにしました。

内壁の遮熱工事の効果は?

この工事を行ったのが10月なので夏の暑さ対策の効果は来年の夏にならなければ分かりませんが、工場内部の熱を反射することで冬の寒さの影響は感じることができるはずです。
この遮熱工事の効果は今後もチェックして公開していこうと思います。

夏の暑さは年々厳しくなっていますので工場や倉庫などの暑さ対策は避けてはいられない問題です。工場などの遮熱工事は大手企業や働く人の労働環境を考える企業からのニーズが高まってきています。
次の夏の暑さ対策をご検討しているならぜひお問い合わせください。