30年以上前に建設されたプレハブ建物の土台を交換して柱を補強する改修工事を行いました。
建物西面の土台だけがシロアリ被害で腐っていたので全て撤去して交換します。柱の下端は錆びて壁全体が下がっているため柱を持ち上げた状態で固定するという内容です。
柱が縮んだ状態なので外壁の下側が外に膨らんでしまい、窓枠に荷重がかかって窓が開かないというちょっと危険な状態です。
- 柱にジャッキアップポイントになるブラケットを固定して壁全体を持ち上げる
- 腐った土台を撤去して新しい土台を設置する
- 柱を補強するための支えを取付ける
柱に油圧ジャッキを当てるためのブラケットを取付けて壁全体を浮かせて腐った土台を撤去します。ジャッキをセットするコンクリート基礎は予め設置してもらいました。この基礎に柱の補強部材を固定します。

防蟻剤を塗った新しい75mm角の土台を既存の基礎の上に置きます。元の土台は85mm角?という規格にない寸法なので、基礎と土台の間に10mmの樹脂スペーサーを入れました。
なぜ昔の土台がこんな寸法かというと、昔のプレハブの土台は安さを求めて廃材や精度の悪い3寸角(90mm)をプレナーにかけて土台に再利用していたかららしいです。(一緒に作業したベテラン職人さんが教えてくれました)

ジャッキを外して柱を土台に載せたら水切を取付けて柱と土台をスクリューボルトで固定します。

柱側にブラケットを取付けて補助柱と結合します。基礎のアンカーボルトは現物合わせでケミカルアンカーでセットし、補助柱のベースプレートを固定します。土台を入れ替えたので壁が下がる心配はありませんが、補助柱は土台と基礎のズレ防止になります。

壁が持ち上がったことで外壁材のたわみは直りましたが壁パネルは外側にたわんだままで床と内壁には15mmほどのすき間ができていまっていました。お客様に確認していただいたところ、
「このすき間もなんとかしてほしい、、、」
ということで外壁の外からビスで引き寄せようとしましたが金属サイディングの外壁がへこむだけなので外壁材を剥がして下地パネルを加工することにしました。




この建物のように30年以上前に建設されたプレハブ建物の土台は雨漏りやシロアリで朽ちているケースが少なくないと思われます。諸事情で建て直しが出来ない建物を使い続けるには土台交換と補強工事で対応するという選択肢もあります。

