危険物保管庫コンテナの暑さ対策で屋根上に遮熱シートを施工しました

有機溶剤などを保管している危険物保管庫のコンテナ内部の夏の暑さ対策でコンテナ屋根上に遮熱施工を行いました。
コンテナ設置後の3年ほど前、屋根上に遮熱塗料を社員さんが塗装したけど効果は感じられなかったため下屋を設置した経緯があります。下屋があると日陰になるためコンテナ内部の暑さが少しは和らいだが真夏の暑さは相変わらずのため何とかならないかとのことでした。
下屋の下は直射日光は当たらない環境ではありますが、下屋とコンテナとの距離は20~30cmほどしかないため屋根からの輻射熱によってコンテナ自体が熱くなっていると考えられます。
最初はコンテナ内部の屋根裏面と壁面に不燃認定の遮熱シートを張るプランを提案しましたが、危険物庫なので消防法に抵触しそうな施工は避けたいとの意向のため内部の施工は見送ることにして、コンテナ屋根上を遮熱シートで被う施工を行いました。

実際の遮熱施工

コンテナ屋根上に遮熱シートを張ると言っても下屋とコンテナのすき間が20~30cmしかありませんのでコンテナの上で作業は出来ない状況です。最初は遮熱シートをコンパネに貼ってコンテナ屋根に載せようと考えましたが、いくら下屋の下とはいえ雨による経年劣化も考えられるため却下。
そこで目についたのが倉庫にあった角波鉄板の残材。これなら費用も抑えられて施工もやり易いので遮熱材を貼り付けた角波鉄板をコンテナ屋根上に載せることにしました。

角波鉄板に両面テープで遮熱シートを貼る

屋外用の遮熱材を角波鉄板の表面に平らに貼りました。
角波の凹凸に沿わずに遮熱シートを貼ったのは材料費と手間を抑えるためもありますし、凸凹に貼った場合と遮熱効果に大きな差はないためです。

遮熱シートを貼った角波鉄板をコンテナ屋根上に設置する

コンテナ屋根上に載せた角波鉄板は5枚で、最後の1枚は2山かぶりでちょうどいい長さとなりました。
コンテナ上の外枠と屋根上面の段差が約20mmあり、角波の山高(20mm)と同じで納まりも良い感じです。
外枠の上に下屋のH鋼が固定されているのでその下に角波を差し込むのには苦労しましたが、H鋼のお陰で角波が押さえつけられるという好都合な面もありました。

コンテナの暑さ対策には遮熱工法が効果的

コンテナは屋根も壁も鋼鈑で作られていますから輻射熱で内部が高温になりやすい建物です。
倉庫などの保管庫として使う場合はまだ良いのですが、人が常時滞在する店舗や事務所では天井や内壁を設けて冷房設備が不可欠と言えます。しかし、コンテナの事務所や店舗は構造的に内部天井とコンテナ屋根のと距離が狭く、コンテナ屋根からの輻射熱の影響が大きいため冷房が効きにくい建物と言えます。
このような建物は太陽光からの輻射熱を遮ると冷房効率が上がり消費電力が削減されますから冷房を使う時期の電気料金を抑えることができます。
輻射熱による建物内部の高温化を抑えるには遮熱材で輻射熱の建物内部への進入を防ぐことが最も効果的な施工方法です。
年々暑さが厳しくなる夏の暑さ対策は遮熱工事で乗り切りましょう。