2024年11月に工場内部の壁に断熱材(グラスウール)と遮熱シートを施工した工場のお客様から、「この冬の工場内の室温が昨年と比べて寒くない」とご連絡をいただきました。

工場内の冬の気温は出社時の朝だと例年は外気とほぼ同じように0℃を下回っていたそうですが、今シーズンは冷え込みが厳しい寒い朝でもマイナス気温にはなっていないとのことです。この現象は下のような断熱材と遮熱材の効果によるものと考えられます。
- 室内側の遮熱シートで温かい室内空気の熱が反射して外壁側に透過するのを防ぐ
- 外壁内側の断熱材で冷たい外気温の伝わりを遅らせ、遮熱材で冷気を反射する
夏の暑さ対策で採用した遮熱材ですが断熱材との相乗効果で寒さ対策にも効果を発揮したと言えそうです。
なお、こちらの工場内には小型の電気炉がありますが工場内用の暖房設備はありません。
夏の暑い季節では太陽光からの輻射熱で熱くなった外壁からの熱で断熱材は徐々に熱くなるが遮熱材で輻射熱は反射され室内側には数パーセントしか熱が放射されないため暑さ対策には効果が見込める。
室内側の熱は遮熱材で室内側へ反射されてしまうが夏は冷房するため熱の対流により、熱い空気は上昇して屋根下に滞留する。
壁からの輻射熱の進入は遮熱材である程度防いでいるので冷房の効率が良くなっていれば遮熱施工での暑さ対策は成功したといっていいはずです。
ただし、夏の建物内の暑さの1番大きな原因は太陽光で熱せられた屋根からの輻射熱です。
この屋根からの熱の進入を防がなければ倉庫や工場の夏の暑さ対策は実現しませんので、次は屋根の遮熱施工を実施する予定です。